2024年11月15日 フルムーン in California

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14年ぶりに、アメリカ西海岸のカリフォルニアを訪れました 今年のLAは、プロ野球チームの優勝や大統領選挙などで、ずいぶん高揚した雰囲気に包まれているように感じましたが、以前と変わらない海辺の風景にホッと安堵する旅の幕開けとなりました

わたしにとってこの地は特別な場所で、はじめてヴィパッサナー瞑想のことを耳にすることのできた、幸運をもたらしてくれた土地なのです ブッダの教えには7年周期にまつわるお話しがよく出てきますが、はじめての出会いからちょうど二回りして戻ってくることができました

サンタモニカピアからの眺め サンタアナの秋風と輝く太陽の光がふりそそぎます

14年前、わたしはあるワークショップに参加するために、サンタモニカのマリナデルレイに滞在していました ちょうど玄米菜食のマクロビオティックにも関心のあった頃で、現地で先生として活躍されている知人夫妻の別荘へおじゃまする予定も入っていました

一緒にワークショップに参加した友人たちとは別行動をとって、わたしはひとり、知人の別荘のあるノースフォークという村をたずねました ここはシエラネバダ山脈のふもとにあり、ヨセミテやセコイア国立公園がたち並ぶ大自然の森林の広がるエリアでもあります わたしは別荘のダイニングルームで知人の手料理を堪能しながら、なぜ彼らがこの地に別荘を持っているのか、そのいきさつに耳を傾けました

朝日の差しこむダイニングルーム テーブルを囲んでダンマの分かちあいが始まりました

それは、目と鼻の先にあるヴィパッサナー瞑想センターに坐りに行ったりボランティアに行くためなのだと聞き、わたしははじめて「ヴィパッサナー」という、古代インドの言葉を耳にしたのでした

わたしはそれまで仏教にまつわる悟りや涅槃の教えについては、少々距離をおいていたところがありました なぜなら「ただ自由な心で生きるためにはどうすればよいか」という、素朴な問いをいつも抱いていて、涅槃にいたる修練の道についてはやや高尚で、抹香臭いイメージを勝手に持っていたからなのです

しかし、この人間の誰もがかかえるありふれた問いが、じつはブッダの教えへと深くつながる呼び水なのだと知ることになるのです

「(心と体を)観察する」というブッダの直接の言葉を耳にして、これは試してみなければいけないとすぐに思いたち、その後すぐに初めての10日間コースに参加することになるのですが、わたしの発心を目ざめさせ、背中をやさしく押してくれたこの土地と仲間たちに、直接の感謝を伝えるために再訪したのでした

美しく紅葉したメイプル 日中は汗ばむほどの秋晴れの穏やかな日々が続きました

カリフォルニアの瞑想センターはたいへん広大なキャンパスで、ダイニングと瞑想ホールの移動にゴルフカートを使うほどの大きさなのですが、早朝には一面に霜がおりて、水蒸気がのぼっていく中を鹿の群れがゆっくりと走りさっていったり、キツツキが仕事をするドラムの音がやさしく響く美しい聖地でした

10日間の瞑想コースの夕べの講話では、ゴエンカ師の映像とともにブッダの教えについて学びますが、早朝から瞑想をして疲れきっているわたしたちを見ながら、少しからかうように微笑まれ、時折わたしたちを笑わせながら楽しそうにお話しをされている様子が上映されます

1日の疲れや緊張から解放されて一息つくひとときなのですが、世界中の瞑想センターで流されているこの映像は、1991年にこのカリフォルニアのセンターで撮影されたものでもあります 当時のあたたかで笑顔の絶えない雰囲気がそのままに感じられる、素晴らしい発展をとげている瞑想センターです

瞑想ホールのとなりに建設された、完成間近のビルマ式パゴダ

今回、自分自身のシンプルな初心にかえる貴重な機会を得ることができました

自然の法則を学ぶブッダの教えは、わたしたち人類にとって、学びたいと望むならば誰もが簡単にアプローチできる、いつでもゲートが解放されている道です もちろん、10日間の体験を手にするためにはいくつもの心身の準備が必要ですが、1人1人がそれぞれ準備のできる範囲の中で、無理なく歩みはじめることができます

ハードルが高く尻ごみするような教えではないことを、自分自身の体験も交えながら、これからも伝えていけたらと思っています

「ミャンマーから世界へ」Part 2 洞窟からパゴダへ(英語のみ)
パゴダ建設のドキュメンタリーです パゴダセル(瞑想個室)での体験談や、カリフォルニアの瞑想センターのパゴダプロジェクトの様子もご覧になれます