2016年8月 フルムーン in Blue Mountains

8月
2016
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日本では猛暑の盛りを迎えるころ、南半球では、冬の底がやってきます

今年は、シドニー郊外にあるブルーマウンテンズ国立公園にほど近い瞑想センターで、コースを坐るためお世話になりました

ユーカリの森が発する気体が、青い霧を生み出すことからこの名がつけられたこの地は、アボリジニの聖地の1つでもあります

アボリジニの伝説で有名な3つの奇岩、スリーシスターズ 美しい景観が広がります

かつてこの大地は、先住の民の楽園でした

彼らは、この地上で最古の文化を持つ民族ともいわれています
先祖代々受け継いできた天地創造の神話、ドリームタイムストーリーを大切にし、その叡智の足跡をたどり旅すること ードリーミングー が、彼らの生活や人生そのものでした

先代たちの物語にすべてをゆだね、文字を持つかわりに絵を描いたり踊ったり、歌を歌い継ぎながら後世に伝承した ”歌の道” そこに、先祖や精霊たちが遺した才気やこだまが今も存在するからこそ、彼らは旅を常とするのです

タスマニア島のとある聖所 古代では、巨石や磐座への信仰は万民共通でした

彼らにはまた、時間という観念はなく、過去や未来もすべて「今」に集約されています

天からすべてが与えられると信頼している彼らは、ほとんど何も所有することなく旅をつづけますが、唯一の持ちものの1つにイダキ(ディジュリドゥ)という楽器があります 物質より大事なものが、まさに歌 森羅万象から学んだことのすべてが、音(波動)に紡がれています

彼らが、古代の南インドから渡来した人々であることも、興味深い史実の1つですが、彼らの真正の道が無数に張りめぐらされたこの大地から力ぞえをいただきながら、瞑想にはげむ冬の日々を過ごしました

「real people」(真実の人々)と称されている意味が、心から理解できます 先住民の聖地には、なぜかウラン鉱脈が眠っていることが多いとも言われていますが、これらの地が荒らされる時、世界に悲しみが広がるであろうということを、彼らの神話はすでに警告していました

古代から多くの聖賢たちが黙想し、自然と一体となり万有との仲らいを続けてきた営み

この浄らかなヴァイブレイションが、今も変わらず遺されているおかげで、私たちは深い瞑想の修養を安心して行うことができます そして、それをただ静かに見つめる、限りない”慈しみ”という支えがなければ、私たちは宇宙のほんのわずかの真理にも、触れることはできないのです

暖冬といわれた今年のオーストラリア 一面の雪景色でおおわれる日もありました