2013年6月 オープンサークル

6月
2013
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何千年と続いてきた物語が、ゆっくりと静かに、終わりを迎えようとしているのでしょうか 私たちが真実と向き合うと決めるとき、そこには、たった1人の想いだけが存在しているのではなく、数えきれない人たちの物語が背景にあることを、思い知らされます

本当の自分と出会いたい、ただ、幸せで自由な人生を歩みたい… どれほど多くの想いが、今ここに、やってきているでしょう 無数の声にただただ圧倒され、言葉を失い、立ちすくむかもしれません だけど、大丈夫 私たちの足もとには、しっかりと支えてくれる、たくましい大地が横たわっています

オープンサークルでは、光と闇、あるいは波動を上げる下げる… などといった概念から、すっかり卒業しようとする人のための分かちあいが、続いています

時に私たちは、これまで不潔だと思ったり、品格がないと遠ざけてきたものと、向き合わざるを得ない瞬間がやってくることがあります そのように避けていたものの中にこそ、じつは自由への扉が用意されているのですが、まるで真実は、誰も好き好んでやって来ないようなところに、わざわざ大切に仕舞われているかのようです どのようなものにも善し悪しをつけず、日常の体験の中でそのままを味わうこと このことがどれほど大切な私たちの仕事であるのか、1人1人が実感されておられるようです

夏至やスーパーフルムーンなどの節目を迎え、悟りの体験を自然に受け容れられる方々の報告が、続いています 彼らの言葉からは、もうお金や家族関係、社会的な成功などという話しは一切出てこず、ただ”それ”と出会うという、真摯な想いだけがあふれています 私たちとのやりとりを漏れなくすべて受け取って、彼らはただ内側へ向かい、確かにそこに在るものに直接触れ、その歓びと感謝を、揺るぎのないクリアな言葉で分かちあってくれるのです

それは私たちにとって、何よりの歓びです それぞれの人生や日常の中で、思わぬ時、思わぬ場所で、”それ”はバラエティに起こるでしょう その流れにもう逆らうことなく、自分自身を差しだしゆだねる時、やさしく自然とその中に溶け入るような、永遠の瞬間が訪れるのです

ニュージーランドの北のさいはて ケープレインガ

日本で夏至を迎えるころ、こちらでは冬至の節目を迎えました 先住民マオリの人たちの伝統的な新年、”Matariki”(マタリキ)をお祝いするシーズンです マタリキとは、水平線にプレアデス星団が現れるころ ー日本では「昴」の名で親しまれていますがー この時から新しい1年が始まります この星団には”Eyes of Gods” 神の目という意味もあり、東の空に輝くスバルを見て、その年の運勢を占います 私はこちらの新年をお祝いするため、冬至の日の朝日を見に、レインガ岬へと向かいました

決して花を咲かせることのないポフツカワの老木を通り 魂は故郷へ還ります

ここはマオリの人々にとって、特に大切な意味を持つ場所です 私たちの肉体が死を迎える時、死者の魂はこの岬から、祖先の故郷と語り継がれているハワイキの島へと旅立ってゆきます ここは「魂が飛び立つ地」という伝承のある場所です ハワイキとは、ポリネシアの人たちの間で大切にされている、天地創造の神々が住む楽園です

前夜から続く激しい雨と風 それはちょうど、日本にも同じ頃台風がやってきたことと重なりました 日の出前には、雄大な龍のような雲のうねりが、北へと向けて一気に立ち去り、その後には美しい見事な日の出 そして海から直接立ちのぼる虹を臨むことができました タスマン海と南太平洋の2つの潮流が、ダイナミックにぶつかり溶け合う姿を、少しでも感じていただけるでしょうか 新しい年の始まりを、またちがう地でお祝いできる歓びの中で、静かに過ごしました

大海原の彼方の 友人たちを想いながら