2015年4月 フルムーン in Burma
2015
私は3週間ほどの間、”ゴールデンランド”と呼ばれるミャンマーを旅していました
その名の通り、どんな小さな集落を訪ねても、私たちは黄金色のパヤー(仏塔)をそこに見つけることができます
ここは、ヴィパッサナー瞑想者たちにとっての聖地
その教えを、純粋なままに保持し続けてきた唯一の場所とも言われ、今でも、彼らはこの国を以前と変わらず “ブーマ”(ビルマ)と、親しみをこめて呼びます
今回わたしは、この叡智を伝え続けてくれた賢者たちのゆかりの地を訪ね、また世界中からここに集まる瞑想者たち、そしてこの地の在家、出家者たちとともに、沈黙の時を過ごしました
ヤンゴンに着いてすぐに、友人がドレスを仕立ててくれ、こちらの民族衣装であるロンヂーを履いて、タナカという樹木のおしろいを塗りながら、毎日の瞑想や巡礼がスタートしました
数年前から、1年のうちの数ヶ月間、わたし自身が何ものからも干渉されることなくセルフリトリートができるのは、ひとえにこちらの瞑想センターのおかげなのです ここは、瞑想者たちの善意と寄付でまかなわれており、1人ひとりにエンスイートの個室と温かい食事が用意され、いつ何時でも、真実を観察できる環境が調えられています
立派な瞑想ホールも完備され、すっかりラグジュアリーな瞑想生活に慣れてしまった私は、この草創の、先人たちの素朴な瞑想人生に触れたくなり、また感謝をあらわしたくなりました
こうして、このヴィパッサナーの源流をさかのぼる旅が自然に生まれてきたのでした
ある場所は、都会の喧騒のただ中のオアシスであり、またある場所はラングーンリバーを越えた、当初の面影そのままの田園風景が広がり、さらにその先は、ヒマラヤからの雄大な源流を見下ろす、静かなケーブ(洞窟)でもありました
現在の洗練とは程遠い、ヴィパッサナーの原風景に接しながら、むき出しの真実を余すところなく味わう旅となりました どこまでも続く赤くたくましい大地に支えられ、乾いたモンスーンの熱風が、一気に心と体のすべてのしこりを吹きとばし、溶かし去ってくれました
この国の人たちの日常や人生には、覚りへの理解と瞑想の修養が、今も自然に息づいています 老若男女が、たとえ数週間、数ヶ月でも世間を離れ、自分自身と静かに向き合うひと時を大切にしています その自然な有り様は、これからのわたし自身の歩みに、さらなる励ましと力添えを与えてくれるものとなりました
4月の満月は月食となり、ここヤンゴンでも黄金のシュエダゴォンパヤーとの共演を楽しむことができました この素晴らしい機会に、新たな歩みや解放を体験される方もいらっしゃったことでしょう そして、テーラワーダの国々がもっとも華やぐ新年のお祭り、ウォーターフェスティバルの喧噪を避けるように、この国を後にしたのでした